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説明書 §2 描画
[ 日本語 | English ] ≫ 説明書 [§1 基本 | §2 描画 | §3 束縛 | §4 編集 | §5 Emacs | §6 Vim | §7 補完 | §8 他 | 索引]
描画属性指定子 (gspec) は描画スタイル (着色や下線などの修飾) を指定する文字列です。
gspec はカンマ (,
) 区切りで複数の単一指定を繋げた形式をしています。
単一指定は以下の何れかの形式をしています。
指定 | 属性 |
---|---|
bold |
太字 (端末によっては高輝度の前景色) |
underline |
下線 |
blink |
点滅 (端末によっては低輝度の前景色または高輝度の背景色) |
invis |
文字不可視 |
reverse |
反転 (端末によっては文字色・背景色の交換) |
strike |
打ち消し線 |
italic |
イタリック |
standout |
強調。これは bold,reverse の省略記法です |
fg=name |
前景色(文字色) (name は後述の色名または色番号) |
bg=name |
背景色 (name は後述の色名または色番号) |
none |
属性なし (これより先に指定した属性は消去されます) |
上記の色名 name には以下の何れかを指定します。
指定 | 色 | 指定 | 色 |
---|---|---|---|
default |
既定色 | transparent |
既定色 |
black |
黒色 (低輝度) | gray |
黒色 (高輝度) |
brown |
赤色 (低輝度) | red |
赤色 (高輝度) |
green |
緑色 (低輝度) | lime |
緑色 (高輝度) |
olive |
黄色 (低輝度) | yellow |
黄色 (高輝度) |
navy |
青色 (低輝度) | blue |
青色 (高輝度) |
purple |
紫色 (低輝度) | magenta |
紫色 (高輝度) |
teal |
水色 (低輝度) | cyan |
水色 (高輝度) |
silver |
白色 (低輝度) | white |
白色 (高輝度) |
orange |
オレンジ |
name として以下の色空間に基づく指定を行うこともできます。
指定 | 色空間 | 引数 |
---|---|---|
I |
256色指定 | I は 0-255 の整数 (16 basic colors + 6x6x6 RGB cube + 24 grayscale) |
#RGB |
RGB | R, G, B はそれぞれ1桁の16進数 |
#RRGGBB |
RGB | RR, GG, BB はそれぞれ2桁の16進数 |
rgb:R/G/B |
RGB | R, G, B はそれぞれ 0-255 の整数または 0%-100% の百分率 |
cmy:C/M/Y |
CMY | C, M, Y はそれぞれ 0-255 の整数または 0%-100% の百分率 |
cmyk:C/M/Y/K |
CMYK | C, M, Y, K はそれぞれ 0-255 の整数または 0%-100% の百分率 |
hsl:H/S%/L% |
HSL | H は整数 (mod 360)、S, L は 0-100 の整数 |
hsb:H/S%/B% |
HSB, HSV | H は整数 (mod 360)、S, B は 0-100 の整数 |
例えば gspec bg=black,fg=white,bold,underline
は「黒地に白文字で太字の下線つき」という描画属性を表現します。
お使いの端末が italic
(斜体), blink
(点滅), strike
(打ち消し線) などの機能に対応していない場合には、
当該スタイルを指定しても正しく表示に反映されない事にご留意いただければ幸いです。
当該スタイルを利用したい場合には、対応している他の端末を探すか、端末の開発者に対応を依頼する事をお薦め致します。
tmux
をお使いの場合には、できるだけ多くの機能を有効にする為に
tmux オプション default-terminal
(既定の TERM
環境変数の値) を
tmux-256color
また xterm-256color
を指定して頂くことがお薦めです。
~/.tmux.conf
に以下の様に設定します。
# .tmux.conf
# Option 1: set default TERM as tmux-256color
set-option -g default-terminal tmux-256color
# Option 2: set default TERM as xterm-256color
set-option -g default-terminal xterm-256color
描画設定 (face) は名前のついた描画の設定項目で、
それぞれに gspec を設定することができます。
各描画設定は ble.sh
の構文着色や様々な描画の際に使われます。
ble-face FACEPAT=[TYPE:]SPEC
ble-face -s FACEPAT [TYPE:]SPEC
# ble-0.3以前
ble-color-setface FACE=GSPEC
FACEPAT
で指定した描画設定を設定します。
FACEPAT
にワイルドカード @
を含めて複数の描画設定に対して一度に設定する事も可能です。
@
は一文字以上の任意の長さの文字に一致します。
TYPE
の指定は v0.4 以降です。
TYPE |
SPEC |
---|---|
gspec (既定値) |
描画属性指定子 gspec で指定します |
g |
描画属性値 (整数値) で指定します |
ref |
名前または番号で指定した描画設定への参照を指定します |
copy |
名前または番号で指定した描画設定をコピーします |
sgrspec |
SGRの引数で指定します |
ansi |
ANSI制御シーケンスで描画属性を構築します |
# 使用例
ble-face region='bg=60,fg=231'
ble-face FACE:=[TYPE:]SPEC
ble-face -d FACE [TYPE:]SPEC
新しい描画設定を定義することもできます。
FACE
には描画設定の名前を指定します。
ワイルドカード @
は使えません。
[TYPE:]SPEC
には既定値を指定します。
既に描画設定が定義済みの場合はこのコマンドは何もしません。
ble-face [-u | --color[=WHEN]]... [FACEPAT...]
指定した描画設定の現在の状態を表示します。
描画設定を指定しない場合、現在定義されている全ての描画設定を表示します。
-u
オプションを指定すると既定値と異なる値を持つ設定のみを表示します。
--color[=WHEN]
オプションを使用して出力の着色を制御できます。
=WHEN
の指定を省略または WHEN
に always
を指定した場合、出力を常に着色します。
WHEN
に never
を指定した場合、着色しません。
WHEN
に auto
を指定した場合、出力先が端末の時に着色します。
既定の振る舞いは auto
です。
ble-face -r [FACEPAT...]
指定した描画設定を既定値に戻します。 描画設定を指定しない場合、全ての描画設定を既定値に戻します。
ここでは基本の描画設定を説明します。 ここに挙げられているものの他にも各モジュールで定義される描画設定があります。 それらについては対応する節をご参照ください。
2.3.1 描画設定 region
†
選択中の範囲を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face region='bg=60,fg=231'
2.3.2 描画設定 region_target
(v0.2)†
現在のコマンドの作用範囲を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face region_target='bg=153,fg=black'
2.3.3 描画設定 region_match
(v0.3)†
検索の一致範囲を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face region_match='bg=55,fg=231'
2.3.4 描画設定 region_insert
(v0.4)†
一時的に挿入された挿入候補を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face region_insert='fg=27,bg=254'
2.3.5 描画設定 disabled
†
キャンセルまたは未実行で一時退避されたコマンドを表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face disabled='fg=242'
2.3.6 描画設定 overwrite_mode
†
上書きモード・置換モードにおいて上書きされる文字を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face overwrite_mode='fg=black,bg=51'
2.3.7 描画設定 syntax_default
†
構文着色において通常の文字列を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_default=none
2.3.8 描画設定 syntax_command
†
構文着色において構文上のコマンド名を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_command='fg=brown'
2.3.9 描画設定 syntax_quoted
†
構文着色において引用符の中身を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_quoted='fg=green'
2.3.10 描画設定 syntax_quotation
†
構文着色において引用符を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_quotation='fg=green,bold'
2.3.11 描画設定 syntax_escape
(v0.4)†
構文着色において \?
の形のエスケープシーケンスを表示するのに使う描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_escape='fg=magenta'
2.3.12 描画設定 syntax_expr
†
構文着色において算術式を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_expr='fg=33'
2.3.13 描画設定 syntax_error
†
構文着色において構文エラーを示すのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_error='bg=203,fg=231'
2.3.14 描画設定 syntax_varname
†
構文着色において変数名を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_varname='fg=202'
2.3.15 描画設定 syntax_delimiter
†
構文着色においてコマンドを繋ぐ記号やリダイレクションを表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_delimiter=bold
2.3.16 描画設定 syntax_param_expansion
†
構文着色においてパラメータ展開やコマンド置換の括弧を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_param_expansion='fg=133'
2.3.17 描画設定 syntax_history_expansion
†
構文着色において履歴展開を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_history_expansion='bg=94,fg=231'
2.3.18 描画設定 syntax_function_name
†
構文着色において関数の定義名を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_function_name='fg=99,bold'
2.3.19 描画設定 syntax_comment
†
構文着色においてコメントを表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_comment='fg=242'
2.3.20 描画設定 syntax_glob
(v0.2)†
構文着色においてグロブパターンの特殊文字を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_glob='fg=198,bold'
2.3.21 描画設定 syntax_brace
(v0.2)†
構文着色においてブレース展開の括弧を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_brace='fg=37,bold'
2.3.22 描画設定 syntax_tilde
(v0.2)†
構文着色においてチルダ展開を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_tilde='fg=63,bold'
2.3.23 描画設定 syntax_document
(v0.2)†
構文着色においてヒアドキュメントの内容を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_document='fg=100'
2.3.24 描画設定 syntax_document_begin
(v0.2)†
構文着色においてヒアドキュメントの開始・終了単語を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face syntax_document_begin='fg=100,bold'
2.3.25 描画設定 command_builtin_dot
†
構文着色において組み込みコマンド .
を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face command_builtin_dot='fg=red,bold'
2.3.26 描画設定 command_builtin
†
構文着色においてその他の組み込みコマンドを表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face command_builtin='fg=red'
2.3.27 描画設定 command_alias
†
構文着色においてエイリアスを表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face command_alias='fg=teal'
2.3.28 描画設定 command_function
†
構文着色において関数名を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face command_function='fg=99'
2.3.29 描画設定 command_file
†
構文着色においてファイルのコマンドを表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face command_file='fg=green'
2.3.30 描画設定 command_keyword
†
構文着色においてシェルの予約語を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face command_keyword='fg=blue'
2.3.31 描画設定 command_jobs
†
構文着色においてコマンド文脈でジョブ指定を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face command_jobs='fg=red'
2.3.32 描画設定 command_directory
†
構文着色においてコマンド文脈でディレクトリ名を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face command_directory='fg=33,underline'
2.3.33 描画設定 command_suffix
(v0.4)†
構文着色においてコマンド文脈で末尾静的略語展開に一致するファイル名を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face command_suffix='fg=231,bg=28'
2.3.34 描画設定 command_suffix_new
(v0.4)†
構文着色においてコマンド文脈で末尾静的略語展開に一致する存在しないファイル名を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face command_suffix_new='fg=231,bg=124'
2.3.35 描画設定 argument_option
(v0.4)†
コマンドライン着色において -h
や --help
等の形式をしたオプション名を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face argument_option='fg=teal'
2.3.36 描画設定 argument_error
(v0.4)†
コマンドライン着色において引数指定のエラーを示すのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face argument_error='fg=black,bg=225
2.3.37 描画設定 filename_directory
†
構文着色においてディレクトリ名を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_directory='underline,fg=33'
2.3.38 描画設定 filename_directory_sticky
(v0.3)†
構文着色において sticky ビットを持つディレクトリ名を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_directory_sticky='underline,fg=231,bg=26'
2.3.39 描画設定 filename_link
†
構文着色においてシンボリックリンクの名前を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_link='underline,fg=teal'
2.3.40 描画設定 filename_orphan
(v0.3)†
構文着色において指し示す先のないシンボリックリンクの名前を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_orphan='underline,fg=16,bg=224'
2.3.41 描画設定 filename_setuid
(v0.3)†
構文着色において setuid 属性のついたファイルの名前を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_setuid='underline,fg=black,bg=220'
2.3.42 描画設定 filename_setgid
(v0.3)†
構文着色において setgid 属性のついたファイルの名前を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_setgid='underline,fg=black,bg=191'
2.3.43 描画設定 filename_executable
†
構文着色において実行属性のついたファイルの名前を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_executable='underline,fg=green'
2.3.44 描画設定 filename_other
†
構文着色においてその他のファイルの名前を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_other=underline
2.3.45 描画設定 filename_socket
(v0.2)†
構文着色においてソケット名を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_socket='underline,fg=cyan,bg=black'
2.3.46 描画設定 filename_pipe
(v0.2)†
構文着色において名前付きパイプの名前を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_pipe='underline,fg=lime,bg=black'
2.3.47 描画設定 filename_character
(v0.2)†
構文着色において文字デバイスの名前を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_character='underline,fg=231,bg=black'
2.3.48 描画設定 filename_block
(v0.2)†
構文着色においてブロックデバイスの名前を表示するのに使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_block='underline,fg=yellow,bg=black'
2.3.49 描画設定 filename_warning
(v0.2)†
構文着色においてファイル名についての警告がある時に使われる描画設定です。
# 既定
ble-face filename_warning='underline,fg=red'
2.3.50 描画設定 filename_url
(v0.4)†
構文着色においてURLの形式をした単語に描画設定です。
# 既定
ble-face filename_url='underline,fg=blue'
2.3.51 描画設定 filename_ls_colors
(v0.3)†
構文着色において設定変数 filename_ls_colors による着色に追加する描画設定です。
# 既定
ble-face filename_ls_colors=underline
2.3.52 描画設定 varname_unset
(v0.4)†
値が設定されていない変数名の描画設定です。
#既定
ble-face varname_unset='fg=245'
2.3.53 描画設定 varname_export
(v0.4)†
環境変数名 (属性 -x
) の描画設定です。
#既定
ble-face varname_export='fg=200,bold'
2.3.54 描画設定 varname_array
(v0.4)†
配列変数名 (属性 -a
) の描画設定です。
ble-face varname_array='fg=orange,bold'
2.3.55 描画設定 varname_hash
(v0.4)†
辞書変数名 (属性 -A
) の描画設定です。
#既定
ble-face varname_hash='fg=70,bold'
2.3.56 描画設定 varname_number
(v0.4)†
整数属性 (-i
) を持つ変数名の描画設定です。
算術式内部での変数名にも用いられます。
#既定
ble-face varname_number='fg=64'
2.3.57 描画設定 varname_readonly
(v0.4)†
読み取り専用属性 (-r
) を持つ変数名の描画設定です。
#既定
ble-face varname_readonly='fg=200'
2.3.58 描画設定 varname_transform
(v0.4)†
大文字 (-u
)・小文字 (-l
)・頭文字属性 (-c
) を持つ変数名の描画設定です。
#既定
ble-face varname_transform='fg=29,bold'
2.3.59 描画設定 varname_empty
(v0.4)†
値が空文字列の変数名の描画設定です。
#既定
ble-face varname_empty='fg=31'
2.3.60 描画設定 varname_expr
(v0.4)†
算術式を含む変数名の描画設定です。 算術式に於いて整数以外の内容を持つ変数名に用いられます。
#既定
ble-face varname_expr='fg=99,bold'
2.3.61 描画設定 varname_new
(v0.4)†
変数代入の左辺に現れる未設定の変数名に用いる描画設定です。
#既定
ble-face varname_new='fg=34'
2.4.1 設定変数 tab_width
(空/整数) (v0.2)†
# 既定値
bleopt tab_width=
タブの表示時の幅を指定します。
空文字列を指定したとき terminfo tput it
の結果を使用します。
2.4.2 設定変数 char_width_version
(バージョン) (v0.4)†
# 既定値
bleopt char_width_version=auto
文字幅を決定する時に元にする Unicode のバージョンを指定します。
auto
が指定されている時、端末の振る舞いから自動的に近い Unicode のバージョンを推測します。
対応しているバージョンは 4.1
, 5.0
, 5.2
, 6.0
, 6.1
, 6.2
, 6.3
, 7.0
, 8.0
, 9.0
, 10.0
, 11.0
, 12.0
, 12.1
, 13.0
, 14.0
です。
既定値は auto
です。
2.4.3 設定変数 emoji_width
(空/整数) (v0.2)†
# 既定値
bleopt emoji_width=2
絵文字が端末上で表示される時の幅を指定します。
空文字列を指定した時は Unicode East_Asian_Width
に基づく幅を使用します。
これは ble.sh
による座標計算に用いられるので、
お使いの端末の振る舞いに合わせて設定する必要があります。
2.4.4 設定変数 emoji_version
(バージョン) (v0.4)†
# 既定値
bleopt emoji_version=14.0
Unicode Emoji バージョンを指定します。
どのコードポイント範囲を絵文字とするかは Unicode Emoji バージョンに依存します。
端末の対応する Emoji バージョンに合わせた値を設定する必要があります。
現在利用可能な値は 0.6
, 0.7
, 1.0
, 2.0
, 3.0
, 4.0
, 5.0
, 11.0
, 12.0
, 12.1
, 13.0
, 13.1
, 14.0
です。
2.4.5 設定変数 emoji_opts
(opts) (v0.4)†
# 既定値
bleopt emoji_opts=ri
端末が対応している絵文字機能のコロン区切りリストを指定します。
値 ri
は Regional_Indicator です。
値 tpvs
と epvs
はそれぞれテキスト表現異体字セレクタ (TPVS/VS15/U+FE0E)
と絵文字表現異体字セレクタ (EPVS/VS16/U+FE0F) を表します。
値 zwj
はゼロ幅接合子です。
値 unqualified
は端末が未認定絵文字 (unqualified emoji sequences) も絵文字として扱う事を意味します。
min=U+XXXX
(XXXX
は16進数) の形式の値は、XXXX
より大きいコードの絵文字のみを端末が絵文字として取り扱う事を意味します。
2.4.6 設定変数 grapheme_cluster
(空/列挙) (v0.4)†
# 既定値
bleopt grapheme_cluster=extended
対応している書記素クラスターの種類を指定します。
空文字列は端末が書記素クラスターに対応していない事を表します。
値 extended
と legacy
はそれぞれ拡張書記素クラスター (extended grapheme clusters) と互換書記素クラスター (legacy grapheme clusters) を意味します。
2.4.7 設定変数 canvas_winch_action
(列挙) (v0.4)†
# 既定値
bleopt canvas_winch_action=redraw-here
SIGWINCH
シグナルを受信した時の振る舞いを制御します。
値 redraw-safe
は、新しいプロンプトを現在のカーソル位置を含む行から表示する事を示します。
値 redraw-prev
は、現在のプロンプトの開始位置まで戻り現在のプロンプトを上書きする事を試みます。
Readline と同様の振る舞いです。
この場合、ble.sh
は端末サイズ変更に伴ってプロンプトの行数が変化しない事を仮定してカーソル位置を戻すため、
仮定が正しくない場合に前回実行されたコマンドの出力結果が消去される可能性があります。
値 redraw-here
は、安全に消去できる行数を計算してできるだけ戻ったい力再描画を行います。
これが既定の振る舞いです。原理的にはこの場合にも前回の出力結果を消去する可能性がありますが、
端末が特殊な挙動をしない限りは誤った消去は起こらないようになっています。
値 clear
は、端末の内容を全て消去して画面の最初に新しいプロンプトを表示する事を示します。
端末サイズ変更前の内容はコマンド出力の結果も含めて失われます。
2.4.8 設定変数 term_index_colors
(算術式) (v0.3)†
# 既定値 (v0.4以降)
bleopt term_index_colors=auto
# 既定値 (v0.3)
bleopt term_index_colors='256' # ble.sh ロード時に TERM == [xk]term*|*256color のとき
bleopt term_index_colors='88' # ble.sh ロード時に TERM == *88color のとき
bleopt term_index_colors= # それ以外の時
端末の前景色・背景色の指定をする際に ble.sh
が使う色番号の数を設定します。
色番号による色指定が有効の時、端末は SGR(38;5;色番号), SGR(48;5;色番号) の形式の色指定に対応していると想定されます。
- 値
auto
が設定されている時、色番号の数はble.sh
ロード時の terminfo データベース及びTERM
シェル変数に基づいて決定された既定値を使用しますTERM
が[xk]term*|*256color
の形式に一致する時、結果は256
になります。TERM
が*88color
の形式に一致する時、結果は88
になります。 それ以外の場合、tput colors
の結果が使用されます。 - それ以外の場合は、この設定変数の値は算術式として評価されます。
結果が 256 の時、色番号は xterm 256色パレット (16 basic + 6x6x6 color cube + 24 gray scale) で指定するものと想定します。
結果が 88 の時、色番号は xterm 88色パレット (16 basic + 4x4x4 color cube + 8 gray scale) で指定するものと想定します。
結果が 0 の時、ble.sh
は色番号を用いた色設定を行いません。
その他の結果の場合は、結果は利用可能な色番号の最大を指定するものと想定します。
2.4.9 設定変数 term_true_colors
(空/colon/semicolon) (v0.4)†
# 既定値
bleopt term_true_colors=semicolon
この値が semicolon
の時、端末が SGR(38;2;R;G;B) の形式の色指定に対応している事を示します。
この値が colon
の時、端末が SGR(38:2:R:G:B) の形式の色指定に対応している事を示します。
この値が空文字列の時、端末が 24 bit color に対応していない事を示します。
この時 ble.sh
は 24 bit color で指定された配色を適切に減色して出力します。
既定値は semicolon
で 24 bit で指定された色は減色せずにそのまま出力します。
2.4.10 設定変数 filename_ls_colors
(v0.3)†
# 既定値
bleopt filename_ls_colors=
ファイル名の着色に使用する描画設定を LS_COLORS
の形式で指定します。
# 例 - LS_COLORS の設定を取り込む
bleopt filename_ls_colors="$LS_COLORS"
# 例 - 拡張子毎の描画設定を指定する
bleopt filename_ls_colors='*.tar=91:*.gz=91:*.bz2=91:*.lzma=91:*.xz=91:*.zst=91'
値はコロン区切りの指定 key=value
のリストです。value には SGR の引数を指定します。
但し、key ln
に対して value target
を指定した場合は、シンボリックリンクの描画設定をリンクの示す先のファイルを用いて決定します。
以下は、対応している key の種類と、その指定によって上書きされる描画設定の一覧です。
filename_ls_colors
内にこれらの設定があると対応する描画設定は無効になります。
パターン指定は拡張子 *.ext
の形式以外には対応しません。
*.tar.gz
などの二重拡張子と *.gz
などの単一の拡張子の両方の設定に合致する場合は、長い方が優先されます。
認識されない指定に関しては単に無視されます。
key | 対応する描画設定 |
---|---|
di |
filename_directory |
st |
filename_directory_sticky |
ln |
filename_link |
or |
filename_orphan |
fi |
filename_other |
su |
filename_setuid |
sg |
filename_setgid |
ex |
filename_executable |
cd |
filename_characater |
pi |
filename_pipe |
so |
filename_socket |
bd |
filename_block |
* suffix *. ext . ext (互換形) |
filename_other のファイルの内、拡張 ext または接尾辞 suffix の一致するもの |
*.readline-colored-completion-prefix .readline-colored-completion-prefix (互換形) |
menu_complete_match |
2.4.11 設定変数 highlight_syntax
(空/非空) (v0.4)†
# 既定値
bleopt highlight_syntax=1
非空文字列が設定されている時、文法着色が有効になります。
2.4.12 設定変数 highlight_filename
(空/非空) (v0.4)†
# 既定値
bleopt highlight_filename=1
非空文字列が設定されている時、ファイルまたはコマンドの種類に基づく文法着色が有効になります。
文法に基づく着色が設定変数 highlight_syntax
によって有効になっている必要があります。
2.4.13 設定変数 highlight_variable
(空/非空) (v0.4)†
# 既定値
bleopt highlight_variable=1
非空文字列が設定されている時、変数の種類に基づく文法着色が有効になります。
文法に基づく着色が設定変数 highlight_syntax
によって有効になっている必要があります。
2.4.14 設定変数 highlight_timeout_sync
(算術式/空) (v0.4)†
# 既定値
bleopt highlight_timeout_sync=500
フォアグラウンドの構文着色で用いるパス名展開のタイムアウトの設定です。 着色対象の単語が評価に時間のかかるグロブパターンを含んでいる時に、 この設定に基づいてパス名展開を一旦停止しバックグラウンドの構文着色で処理する様に手配します。 設定値はミリ秒単位のタイムアウト時間です。 空文字列を設定した時、タイムアウトは無効化されます。
2.4.15 設定変数 highlight_timeout_async
(算術式/空) (v0.4)†
# 既定値
bleopt highlight_timeout_async=5000
バックグラウンドの構文着色で用いるパス名展開のタイムアウトの設定です。 着色対象の単語が評価に時間のかかるグロブパターンを含んでいる時に、 この設定に基づいてパス名展開を停止しファイル名に基づく着色をキャンセルします。 設定値はミリ秒単位のタイムアウト時間です。 空文字列を設定した時、タイムアウトは無効化されます。
2.4.16 設定変数 syntax_eval_polling_interval
(算術式/空) (v0.4)†
# 既定値
bleopt syntax_eval_polling_interval=50
ユーザー入力による着色用パス名展開のキャンセルについて、ユーザー入力をチェックする最大間隔を指定します。
単位はミリ秒です。空文字列を設定した時、100
が使用されます。
2.4.17 設定変数 highlight_eval_word_limit
(算術式/空) (v0.4)†
# 既定値
bleopt highlight_eval_word_limit=200
一つの単語の着色を決定する際に処理する展開済み単語数を制限します。 空文字列が設定されているときは処理する展開済み単語数に制限を課しません。
2.4.18 設定変数 color_scheme
(列挙) (v0.4)†
# 既定値
bleopt color_scheme=default
非空の値を設定すると、指定した名前の基本描画設定の定義済み配色をロードします。
対応している配色名は
contrib/scheme
でご確認いただけます。
2.5.1 設定変数 edit_bell
(コロン区切りリスト)†
設定 edit_bell
はコロン区切りの値のリストで編集関数 bell
の振る舞いを制御します。
値 abell
(音による通知), vbell
(画面による通知), visual
(画面の反転) が含まれている時、それぞれ対応するベルの提示方法を有効にします。
音による通知は BEL (0x07) を端末に送信します。
画面による通知はメッセージを端末画面に表示します。
画面の反転は GNU Screen 形式のベルで DECSCNM を瞬間的に有効にすることによって端末画面を反転させます。
ble-0.3 用の古い設定 edit_vbell
と edit_abell
は edit_bell
に移行してください。
# 既定値
bleopt edit_bell=abell # ble >= 0.4
bleopt edit_abell=1 # ble < 0.3
bleopt edit_vbell= # ble < 0.3
# 設定例 (音による通知を有効に、画面による通知を有効にする場合)
bleopt edit_bell=vbell
2.5.2 設定変数 vbell_default_message
†
設定 vbell_default_message
は画面での通知で使用するメッセージ文字列を指定します。
# 既定値
bleopt vbell_default_message=' Wuff, -- Wuff!! '
# 設定例
bleopt vbell_default_message=' BEL '
2.5.3 設定変数 vbell_duration
(算術式)†
設定 vbell_duration
は画面での通知を表示する時間の長さを指定します。単位はミリ秒です。
# 既定値
bleopt vbell_duration=2000
# 設定例
bleopt vbell_duration=3000
2.5.4 設定変数 vbell_align
(コロン区切りリスト) (v0.3)†
画面での通知を表示する位置を指定します。left
, center
, right
の何れかで水平位置を指定できます。
panel
(v0.4以上) が指定されている時、行エディタが有効な文脈では、
コマンドラインの下部 (行エディタのインターフェイス内部) に通知を表示します。
# 既定値
bleopt vbell_duration=right
# 設定例
bleopt vbell_duration=left
2.5.5 描画設定 vbell
†
画面での通知を表示する時の描画属性を指定します。
# 既定値
ble-face vbell=reverse
2.5.6 描画設定 vbell_flash
†
画面での通知を表示した瞬間の描画属性を指定します。
# 既定値
ble-face vbell_flash='reverse,fg=green'
2.5.7 描画設定 vbell_erase
†
画面での通知を消去した後の描画属性を指定します。
# 既定値
ble-face vbell_erase='bg=252'
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